今を去ること50年近く前、私が小学生2年か3年生ごろの私の話。
私が未だ音楽が好きでも嫌いでもない頃、親に少年合唱団に入れられた。少女は居ない合唱団であった。可も無く不可も無く練習をこなし半年ぐらい経って発表会。富山市公会堂のこけら落としか何かだったと思う。客席はほとんど真っ暗だった様な気がするが、指揮者(小学校の先生)しか目に入ってなかったのかもしれない。
20人か30人の子供が先生に集中している。それでもより一層の集中を求めてか先生は子供達を見渡す。私はさあこれから始るぞ、さあどんなリズムなんだろう。伴奏の無い合唱団でリズムや歌い始めは全て先生の動作にかかっている。先生の口が声も出てないのに子供達に何かささやきかけている。何かは忘れたけど子供達は何かを先生の口から感じ取っている。やがて子供達の集中に満足してか先生は身体でリズムを子供達に示す。第1拍目のタクトが振り下ろされる1小節か2小節前には子供達はもうリズムを掴んでいる。即ち、先生の第一拍目のタクトが降ろされる前に子供達は先生のタクトが振り下ろされるタイミングを掴んでしまっているのだ。決して先生のタクトが振り下ろされるのを見てから歌い出すのではない。
社交ダンスは男子が女子をリードする、女子は男子をフォローする。女子は男子のリードを感じてから足を出す。
ここにある説がある、即ち、女子の身体がリードを感じ、それが女子の脳に伝わるのにある程度時間がかかり、女子の鈍い脳が何がしかの判断をするのにまたある程度の時間がかかり、その脳からの指令が女子の足に伝わるのにまたある時間がかかる、だから、男子は女子にリズム通りに踊らせたい時は自分がリズムより少し前に動き出すべきだという説がある。
なるほどと思えないでもないではないが、私はこの説には同意できない。私の幼しかりし頃の記憶では、次のリズムの山は何時来るか、もう、大分前からわかっている、自分が歌い出すのと指揮者の歌い出しのためのタクトが振り下ろされるのとを同時にすることができる。だから、男子は女子より早く足を動かす必用は全く無いと思う。
ダンスのリードで次の足が前進か横へか揃えるか、揃えないか、はたまた後退かを女子に伝えるのは出ていく足とかでされるのではない。出ていく足でリードしようと思うのは間違いで、サポーティングフットの上で次に何をすべきか伝えるべきだ。従って、1歩1歩のサポーティングフットの上に居る時間を大切にすべきだ。
対する女子はリズムを男子から得ていては遅い、自分で音楽を聴き、次のリズムの山を充分予想できる様でなければならない。そして、リードは出ていく足を送るサポーティングフットの上で感じるべきだ。
2002.07.27
私は少年合唱団♪
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